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ビジョントレーニング(視知覚トレーニング)
 

これらのトレーニングは「近視回復」「視力回復訓練」を目的とした物ではありません。また、視力回復を喧伝している施設と同じ類の物ではありません。

※当所で視覚認知検査を受けられたお子様が対象となります

※弱視の訓練は此方では行っておりません

トレーニングを受けていただくための手順は下記の順になります

①状態像を把握するため、当方で両眼視機能検査・視覚認知検査を受けていただく必要があります

※他施設の評価を元にトレーニングだけを希望されることはご遠慮ください

(方策に至るまでのクライエントとの信頼関係や文脈を大事にしています。信頼関係と文脈のない道具的な利用には意味や効果が薄いと考えています)

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②検査結果に対して、眼鏡作製の必要性、オフィストレーニングorホームトレーニングを検討します

※現在通われている放課後等デイサービスに作業療法士さんがおられる場合、感覚統合のセラピーを優先して頂く場合があります

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③ビジョントレーニングにあたって面談と目標設定

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④             利用開始

※トレーニングは平日のみの実施とさせていただきます(16時以降)

視力回復・弱視訓練などは実施しておりません

※放課後等デイサービスではありませんので、利用料金は全額実費となります

視知覚評価 15.000円報告書込み/トレーニング/40分5000円

神戸市元町の視機能トレーニングセンターJoyVision(ジョイビジョン)北出勝也オプトメトリストドクター * 提携・指導のもと、ビジョントレーニングを実施しております。

 また、当方は東京眼鏡専門学校.米国オプトメトリーカレッジ.マーシャル.Bケッチャムの専門プログラムで“Optometric.certificate”及び国家資格1級眼鏡作製技能士一般社団法人視覚トレーニング協会ビジョントレーニングインストラクターを所持しております。

ビジョントレーニング

視力は良くても「見る力」に問題を抱えているお子さんが見過ごされています。

多くはこの問題が発見されないままで、学業に困難を抱えたり、スポーツや遊びも器用にこなせず、それらは本人の努力不足や勉強不足であると叱責されるケースも散見します。

また、発達障がいを抱えるお子さんは(LD・ADHD・自閉症・広汎性発達障害)、視機能の問題も一緒に抱えている事が非常に多いにも関わらず、地域や施設によっては見落されている事も多々あります。

「なんでできないの!」「勉強しなさい!」と指導しても、本人にしてみれば「一生懸命頑張っているのに何故出来ないのだろう?」と自信を失ってしまう事も多いのではないでしょうか?

問題の要因を掴まない限りは、解決や生きやすさに繋がることは少ないでしょう。

子どもの持つ問題の原因が視覚機能にある場合、視覚機能トレーニングを行うことで視覚機能の問題は改善されることがあります。

「見る」ということをスムーズに行えるようにトレーニングし、その受け取った情報を「認知」し、イメージする機能や体の動きをイメージする機能を高めていくことが、視覚機能を高める事に繋がるのははもちろん、読むことや書くことが少しづつ上達していく事は、子どもの大きな自信に繋がっていくものと考えます。

視知覚トレーニング

視覚とは人間の持つ感覚機能の一つで、視覚から得られる情報は90%と言われます。

この圧倒的に多い情報量に対し、視覚機能に弱さや未発達がある場合、目からの「情報入力→見た形の処理→手足に出力」の流れの中で、弱さや困難さが見られ、学習や生活で苦戦する場合があります。

ビジョントレーニング・視覚認知トレーニングでは、この[眼からの情報入力→処理→出力]の的確なアセスメント(評価)を行い、その中でうまく噛み合っていない部分の抽出及び強化を行うものです。

具体的には、眼球運動の能力(滑動性・衝動性)、焦点合わせ機能、両目の協調機能(調節機能)、両眼視機能(輻輳力・ 開散力・融像・立体視・意識的周辺視野)、視覚情報処理機能(イメージの認識力・イメージの記憶力・イメージの操作力・空 間認知力)の向上を目的としたものです。

目と手の協応

アメリカ合衆国のデータや論文によると、ビジョントレーニングでの機能改善率は90%を超えているほどです。

反面、重なりあう特性の中で、ビジョンの困難もあるけれど、他の特性が強い場合においては、眼鏡やトレーニングによって、基本スキルであるビジョンの向上は見られても、実際の状態像としては変容が見られない場合もあります。

 

例えば、音韻処理に問題のあるお子さんが、ビジョントレーニングや両眼視機能の眼鏡補正で劇的に読み書きが改善するという事ではありません。

それでも、重なりあう困難の中で、ビジョンの問題も併せ持っている場合、それらの鎖を断ち切ることが出来るのあれば、その困難は少し軽くなるかもしれませんし、その少しが本人にとっては大きなものかもしれません。

何より、お子さんにとって、眼という「使える資源」であるべきものが、視機能不良によって「使えない資源」「使うのが困難な資源」になっているのは大変不幸な問題だと感じます。

周りの人が見た時に、たかが「見る」という機能の問題と思われる方がおられますが、例えそれが「視力」や「視機能」等、子どもを全体から見た時に微小な問題であっても、それはやはり断ち切るべきものだと強く考えます。

発達障害

学校や生活で必要な視覚スキルを学習する 

生活や学校において「ビジョン」は重要な役割を担っています。

ビジョンがうまく使えてなかったり、うまく働いていないと、せっかくの視覚情報を有効に

活用することができず、必要な情報を取り込めず不要な情報に混乱し、学校では読み書きに困難が出たり、運動面で困難が出る可能性があります。

学校で苦戦している子どもや、運動面で苦戦しているお子さん、アスリート、デスクワークでパソコンや書類等に見誤りが多い方、または車やバイクの運転で車庫入れが苦手だったり、事故を繰り返し起こす方など。

これらは、学習能力や運動神経、そして意欲や態度の問題ではなく、ビジョンの問題が原因かもしれません。

ボディイメージ

見ることの土台、メンタルボディマップの形成

メンタルボディーマップとは、空間の中で自分の体の大きさや部位を理解し、上下、左右の感覚や重力を理解できる状態といえます。

視覚システムの発達においても、ボディマップ形成は重要な要素であり、これらの習得に未発達がある場合や、原始反射の残存が見られる場合などにおいては、体の不器用さと微細な運動の弱さの両面が顕在化してくることがあります。

「見る力」を養う第一歩は、体の使い方をコーディネートすることが優先的に行われるべきです。

眼球運動

専門施設によるビジョントレーニングのメリット

基本的な体や目の使い方を習得する為に、様々な方法を用いてトレーニングを進めます。

使用するツールは米国で使用されるような特殊なものもありますが、ほとんどは一般の御家庭でも用意できるものを使用します。

ただ、運動機能の向上が最終目的ではありませんので、観察的な「ビジョン」の向上が見られたとしてもゴールではなく、そのスキルが「いつでも使える資源」で無い場合は意味がありません。

 「いつでも」「どこでも」「誰の前でも」同じように発揮できる「熟達化」を習得することが最大の目標となります。

このような目的・目標のために、同じツールを用いたとしても、習得度に応じてオプトメトリーのテクニックを使える事が専門施設でトレーニングを進めていくメリットだと考えます。

両眼のチームワーク

ビジョントレーニングはお子さんの問題に適応できる有効な方策です

ビジョントレーニング(VT)では、学習に必要な眼球運動、調節、輻輳には有効な方策です。

そして、必要に応じて“VT”と共に“特別な眼鏡装用”も効果的です。

VTとは、視覚的特性に応じて個々人にプログラムされたものであり、お子さんが能動的な活動を行うためのプログラムです。

一般的には各30~60分のセッションを週に1~2回施設にて実施します。

加えて、ホームワークが当所でのVTを補うために課せられます。

トレーニング期間は個々の視機能の問題によって変化しますが、おおよそ15セッション~30セッションが終了の目安です。

本来、VTは視覚の専門家によって、あるいは視覚の専門家の監督下において行われます。

ビジョントレーニングは、視覚システムにおける問題を改善する有効な選択肢です。

ビジョントレーニングは視覚システムに対して問題を修正するよう「脳に教える」ことを目的とします。

ブロックストリングス
ペグボード

ビジョントレーニングの本場であるアメリカ合衆国には多くの研究があります

 

ビジョントレーニングの本場であるアメリカ合衆国には多くの研究があり、VT前後における読書時の眼の動きを、他覚的眼球運動記録を用いた評価の研究があります。

研究では、固視の持続時間の減少と共に、固視する数の減少、読み返す数の減少、各行で行われるサッケード(衝動性眼球運動)の減少が見られました。

トレーニングを受けた人達は、これらの問題の改善により読書スピードが向上しました。

そして、多くの研究者が成功率に着目しました(VTの成功率はおよそ90%です)

​研究者ダウムは、他覚的及び自覚的困難さに対してその96%が部分的あるいは全体的な軽減があったことを見いだしました。

そして、研究者ホフマンは調節能力の正常化に対して87.5%にVT成功率を見いだしました。

このように、適切なアセスメントに基づいた眼鏡補正及びVTは大変有効な方策なのです。

一部の学校や施設のように「読み書きが苦手」という主訴に対し、適切な評価をしないままビジョントレーニングで闇雲に眼を動かすこととは全く違います。

オプトメトリーにおけるビジョントレーニングは「評価→VT→評価」が適切に行われます。

ブロックストリング

輻輳困難(両眼の寄せ運動困難)に対するVT

合衆国の研究では、輻輳不全及び他の外斜位の状態に対し、VTは輻輳力の有意な増加と眼精疲労の有意な軽減が実証され、VTが効果的であることが示されました。

他の研究では、輻輳過多において同様な結果を見いだしました。

 

ある研究では、両眼の寄せ運動及び外寄せの有意な増加と共に患者の84%において困難が無くなったことが報告されています。

見る力
ジョイビジョン奈良.OptMatsumoto
トラナグリフ

どこで眼鏡作成やVTを行うのか?

 

 合衆国の研究において、家庭でのトレーニンググループとオフィス(専門施設)でのトレーニンググループで効果を比較した際、結果評価において改善があったクライアントの率は、オフィス(専門施設)でのトレーニンググループにおいて有意に大きいものでした。(対象9歳~17歳 221名)

この研究では、対象者の75%近くに12週間の期間内に徴候の正常化、あるいは改善が達成されたことが認められました。

ここから読み取るべきメッセージは、視機能に問題のある9~17歳へのトレーニングとしては、オフィスでのトレーニングが第一選択として考慮されるべきということです。

また、療育施設や学校などで他覚的・自覚的なアセスメントを行わずに状態観察のみでトレーニングを行う方がおられます。

例えば「音読時に飛ばし読みが頻回である」という主訴に対し、状態観察のみで「眼球運動の問題だろう」と見立ててVTをやる事と、問題の背景に基礎的な視覚スキルや両眼視機能の問題が無いかを検査した上で、結果的に「眼球運動の問題だろう」と行きつくことは、結果は同じでも内容や評価の質が全く違います。

前者は良くも悪くも観察者の勘であり、たまたま結果が眼球運動の問題であっただけです。

また、前者の行動観察を主とした評価であれば、結果が出たなかったときに、その原因を掴むことは難しく、それ以上に発展的な方策はありません。

 

視覚の専門家が対象者の状態を適切に評価することのメリットは、状態に対して有効な方策があると判断した場合(眼鏡装用・VT)、一定のクールを終えた後に専門家による再評価が行われます。

 

適切な評価や部分実施の評価しか行われないままに状態を見立ててしまい、眼鏡やVTで改善できる困難であったにも関わらず、このことで発見が遅れてしまい、1年間も辛いトレーニングを受けた児童がいたケースがあります。

 

本来、VTは視覚スキルを向上させることによって問題解決を助けますが、先ずは両眼視機能の詳細なアセスメントが重要であり、視機能の問題の大きさによってメガネの助けが必要になることがあります。

 

そして、うまくVTプログラムを完了した後、プリズム量を低減あるいは取り去ることができるからです。

VTの副次的効果

考え方はそれぞれですが、私自身は「ビジョンの向上に伴う副次的なスキル向上」も主目的の一つとして考えています。

 

慣れた環境では発揮できる力であっても、新規場面で力を発揮できないのであれば、それは「見る力」の熟達は行われていないと考えられますし、手厚く環境調整された中でしか使えないスキルではいけないと考えます。

 

例えば、勝ち負けにこだわるお子さんや、失敗に対する不安要素が強いお子さん、母子分離不安の強いお子さん、注意散漫や集中困難なお子さん等は、どこでも・いつでも基本スキルのビジョンを使えるようにすることは重要だと考えます。

 

また、不安要素の強いお子さんに関しては、成功体験の積み重ねに加え、出来たという実感を即時にフィードバックできるのは「ビジョントレーニング」のメリットだと思います。

 

ビジョントレーニングの場は成功体験を保障する場でもあります。

お子さん一人一人、状態像は様々で、それぞれに関わり方は変わりますが、他者とかかわりながら行うトレーニングのメリットは、スモールステップを行いやすいビジョントレーニングを用い、社会で生きていく「見る力」を育むことです。

 

上述した点を踏まえ、当所では母子分離による検査・トレーニングを行っています。

 

 

特に心配されて同室でのトレーニングを望まれる養育者の方もおられますが、学校や社会生活の中で養育者がずっと一緒にいることは出来ません。

 

この点に関しては特に、障害の有無にかかわらず忘れてはいけない感覚だと考えております

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